2019年7月26日金曜日

ストIIの面白さーランダムのもたらす輝き(1)


このところバーサス東西戦に参加できていない。だがストIIは続けていて、毎週ニコニコ動画にアップされる対戦動画も楽しみに見ている。
自分にっとては秋葉原HEYが対戦のできる最寄のゲーセンという事もあり、HEYのLIVE配信もよく見ている。HEY3Fの格ゲー配信はメインがストV、子画面にスパIIXとなって久しい。ストVも少し触ってみたが、あまり肌に合わず専ら鑑賞するばかりとなっている。本田が出てこない事については百万言あるが、本題ではないのでここでは擱く。
ストVとスパIIXとを同時に眺めながら、スパIIXはどうして面白いのだろうかと考える事がよくある。今回は「ランダム性」について焦点を当てたい。


最近の格闘ゲームにはランダム要素が非常に少ない。攻撃値は完全に一定で、計算式も公開されており、特にトレーニングモードのあるゲームではダメージ量計算が完璧にできる。ストIIIの時点でダメージ量のランダム要素は非常に小さい(ない?)もので、ストIV以降では完全に一定となっている。

翻って、スパIIXはランダムの幅が非常に大きい。同じ昇竜拳でもダメージに2~3割の差があったり、Xベガの中足⇒ダブルニーだけでピヨるかと思えば、フェイロンがJ大P→アッパー⇒烈火拳3段を入れ、更に大攻撃が2発入っているのにピヨらなかったりする事もある。ピヨり値に大きな振れ幅があり、技によっては最悪ピヨり値0という事もある。
他にも起き上がり直後の投げ無敵時間がすぐ切れることが16分の1で発生したりと、ランダムの結果が勝負に影響の大きいところで作用する事が決して少なくない。
スパIIXのランダム要素としてざっと思いつくだけでもダメージ量、ピヨり値、起き上がり後の無敵時間、防御力無視の根性値、タメ時間が挙げられる。ストIIにまで遡れば512分の1ガード・必殺技の存在など、ランダム要素が大きく盛り込まれたゲームとして設計されているのが明らかである。
加えて、ステージにより処理速度が違う=リバサ必殺技の入力タイミングがズレるといった違いまで生じる。要は、スパIIXは運に左右される不安定なゲームなのである。

プレイヤー同士の優劣を決める対戦ツールとしてはランダム=運の要素は少ない程よい。難しいコマンドやシビアな入力タイミング、焦りによる操作ミスなど、操作技術という身体性と格ゲーは切っても切れない関係にあるものの、近年のゲーム性は純粋頭脳ゲームに限りなく近づくベクトルにある。雑な例えだが、スパIIXが麻雀・トランプのように運の絡むゲームであるのに対し、ストIV・Vは囲碁・将棋のように思考による駆け引きのみで勝負が決まる安定的なゲーム性といえる。

つづく